1年の計は、元旦ではなく4月1日に立てるのが玄人である。
春ですねぇ。会社でも人の入れ替わりが多いです。所属している部署の歓送迎会もありました。1年しか経験のない私が言うことでもないと思いますが、どーもテンションが微妙な人が多い気がします。コミュニケーション能力を疑うと言いますかね。。 ただまぁ私と直接関係のある人はほとんどいないようでしたので、特に不満があるわけでもありません。適度に頑張っていって欲しいと思います。
さて、4月7日のエントリーでちょっとした問題を提起しました。それはまぁ簡単に書けば、「2つの温度が異なる物体が接していれば、そこで熱のやり取りを行って同じ温度に落ち着くはずなのに、どうしてお風呂のお湯は自然と上のほうが熱く、下がぬるくなってしまうのか?」ということです。これについていくつか挙がると思われる回答を考えましょう。
まず回答その1。
「水に限った話ではないが、物質は温度によって比重がわずかに変わる。温度が高い水は比重が若干小さくなり、逆に温度が低いと比重は大きくなる。これによって、熱いお湯が上のほうに、ぬるいお湯が下のほうにたまってしまうのだ」
こんな回答を考えた方いませんか? これは典型的な、「質問に答えていない回答」でしょう。私が尋ねているのは「どうして熱いお湯が上に、ぬるいお湯が下にいくか?」ではなく、「そのように自然と温度差が生じることは、熱力学の法則に矛盾しないか?」ということなのです。仕事をしていても、よく「回答になっていない回答」を返される経験をします。お互いに気をつけたいものですね。
じゃあ、回答その2。
「お風呂にお湯を入れるというのは2つの温度が異なる水を混ぜるわけではなく、ある温度のお湯がただ冷めていくだけなので、全く違う話である」
これはまぁ確かにそのとおりです。確かにそのとおりではあるのですが、「じゃあなぜ均一な温度で冷めていかないのか?」という問題は依然としてあるわけで、根本的な解決にはなっていません。
最後に私なりの回答その3。温度が異なる物体があれば、それらの間で温度が等しくなるように熱の移動が起きることは間違いありません。ただし、これはあくまでも外界から何も影響を受けていない時の話です。例えば底のほうをガンガン熱すると、当然ながら温度は一定にならずに底のほうが熱くなります。つまりお風呂のお湯が同じ温度にならない理由というのはとても簡単で、何かが同じ温度にしようとする自然な動きを邪魔しているのです。それは何か?というのが私が聞きたかった答えなわけですが・・・その1つは重力です。我々は普段ほとんど意識していませんが、温度が高いお湯が上のほうに、低いお湯が下のほうにいくというのは、重力のポテンシャルを受けているためです。その他にも、水面が空気に接しているのに対してその他の面が湯船に触れているというのも影響しているでしょう。熱の逃げ方が異なるというのは言い換えれば、熱のもらい方が異なるということです。従ってほとんど重力を受けない宇宙船の中でお湯の塊を浮かせておくと、そのお湯は完全に均一に、室温と同じ温度になるまで下がります。
前置きが長くなりましたがよーするに私の言いたいことは、原理原則というのは確かに存在して間違いではないのだけども、日常生活ではそれらが効いてこないことやそれだけでは説明できないことが多々あるよね、ということです。これを認識せずに、「こういう原理があるのだからこうならないとおかしい」と考えるとドツボにはまることになります。原理原則を振りかざすのが大好きな方は、ぜひとも時機を見極めて使いこなして欲しいものです。